20代女性。仕事、キャリア、結婚、出産、子育て、悩みたくなるのはわかるけれど・・・

キャリア

社会に足を踏み入れる前から、すでに悩んでいる実態



私は夫の海外勤務に伴いアメリカに帯同する前、商社に勤めていましたが、この商社という業界の特性上、本当に多くの大学生から社員訪問という名のキャリア相談を受けてきました。もちろん、男性にも女性にも私自身はオープンでしたが、多くは女性の学生さんから「女性で、営業職で、子育てをしながら働いていて、できれば駐在経験もしている女性と話したい」となると、候補者は社内では数えるほどしかいないため、私に話が回ってくることが多かったというわけです。


女性の学生さん、非常に勉強熱心ですから、業界の話、仕事の話、とても積極的に聞いてくれます。しかし、30分も話をすれば本音が出てきます。そしてそれは仕事の話というよりも多くの場合で、「結婚や出産を経てもなお働き続けられるか」「子育てをしながらの働き方はどのようになるのか」という不安に集約していくような印象があります。


有名な著書ですのでご存じの方も多いと思いますが、仕事をするすべての女性に読んでいただきたいと思っている良書の一つに、フェイスブックCOO シェリル・サンドバーグの「LEAN IN」という本があります。そこでの一説がまさに、私がこれまでに受けた相談にあまりにも似通っているので、ご紹介させていただきます。



『フェイスブックの女性社員が、折り入ってご相談があるといってきたことがある。会議室へ入ってドアを閉めるなり、彼女は仕事とプライベートの両立についての質問を連発する。私は訊かれるがままにこたえていたが、矢継ぎ早の質問を不審に思って途中でやめ、逆に質問をした。「赤ちゃんができたの?」答えはノーだった。だが、そうなる前に計画を立ておきたいのだという。そこで、そろそろ子供がほしいとパートナーと相談しているのかしら、と訊いてみた。すると彼女は、夫はいないしボーイフレンドもいないと答えたのである。』


私が相談を受けてきた学生さんたちも、21歳、社会の入り口に立とうとする今、キャリアの一歩目すらも歩みだす前なのに、すでにいつくるかわからない結婚や出産にまつわるライフプランで頭が一杯な状況なわけです。そしてそんな彼女たちへ、私からのアドバイスはいつも・・・


結婚や出産そういったライフイベントは一度横に置いておいて、本当にキャリアとしてやりたいことは何かを考えてね。その上で、その夢や目標が商社で実現できるのであれば、こんな最高なステージはないと思う。ライフイベントの軌道修正は本当にそうなった時にいつでもできるから。


働く女性を取り巻く外部環境は変化する、だから「今」悩むことはあまり意味がない


少しさかのぼり、私の入社した十数年前を振り返りたいと思います。当時、女性が商社に総合職として入社する、これはある意味ですごく覚悟を伴うものと感じていました。女性の採用比率もわずか数%の時代、自分自身も、商社に入ったのだから、「当然に」結婚や出産はあきらめるんだろうと思っていましたし、当時の上司も入社直後23歳の私に対し「商社で活躍したいなら、出産や育児なんてあきらめなければいけないぞ。」と、なんとも適切な!?アドバイスをしてくれたものです。


誤解なきよう申しますと、この十年で大幅に環境も変わり、このような発言をしてしまう社員は、現在おりません。そう、たった十数年ですが、働く女性を取り巻く環境は本当に大きく変わっているのです。


付け加えると、男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年。それまで会社という大きな組織で、女性が「普通に」働くこともできていなかった時代が、わずが30年ちょっと前のことです。そして、男性並みに働きたいと思ったら、ライフイベントはあきらめないといけないと覚悟していたのがわずか十数年前。


女性を取り巻く環境はこうも変化しており、だからこそ「現在の実態」を見て嘆き、判断するということが、ことさらに意味のないことだと思ってしまうのです。例えば、2019年22歳で就職し、結婚するのが30歳、子供をもつのが32歳だとして、まだ10年あります。10年後の2029年に女性を取り巻く環境は、過去と同様にまた大きく変化する可能性が極めて高いとすると、「今」をみて不必要に心配し、恐れ、ブレーキをかけてしまうこと、必要ないですよね。

とはいえ、自分自身も「もやる経験」をしましたが・・・


私自身、「結婚や出産そういったライフイベントは一度置いておいて、本当にキャリアとしてやりたいことは何かを考えてね。ライフイベントの軌道修正は本当にそうなった時にいつでもできるから。」とずっと信じて疑わず、半ば自分の価値観のコアの部分に据え付け、20代30代と「やりたいこと」をやってきました。


そして、ライフイベントを30歳ちょっとで迎えましたが、依然として、ちょっと両手両足に2kgくらいのダンベルをつけ、少し身動きがとりにくいけれども、それでもやりたいことは自由にやれているだろうという感覚がありました。しかし、夫の海外赴任に伴い、アメリカへの帯同を決断するプロセスにおいては、自分自身がはじめて自分の意志でない選択を迫られているように思い非常に悩みました。


当時を振り返ると、あれほど「自分の好きなようにやればよいよ」と学生さんや後輩と話していたのに、結局自分も好きなようにできていない、これは自分の信念に反するのではないのか。学生さんや後輩からすれば、「結局、あの先輩も自分のやりたいことをできていないじゃない。女性はいつかこういった曲がり角があるなら、やっぱり今、頑張っても無駄よね。」と思われてしまうのではないか。


この時はじめて、ライフイベントを重視しながら職業選択、企業選択、勤務地、パートナーの選定を考える学生さんがクレバーに見えました。確かに、仕事としてのやりがいは限定的かもしれないけれど、それも正しい選択の一つだったのかもしれない。「やりたいことをやる」自分は誤ったメッセージをこれまで伝えてきてしまったのかもしれないな・・・。

やりたいことをやって。ライフイベントの軌道修正は本当にそうなった時にいつでもできるから


しかし、アメリカに来るにあたり起業したり、MBAにアプライしてみたりするうちに、その思いも徐々に変化してきています。これまで進んできた道とは異なりますし、当初予想していたものではありませんが、次の一歩を踏み出せる、そして踏み出して成果につなげる自信も今ではあります。


なぜでしょうか?やはり過去十数年と走ってきたという自負があるからだと思います。「辞めなければならないときまで辞めないで」これはシェリル・サンドバーグが「LEAN IN」の中で打ち出しているメッセージですが、これに付け加えるとすれば、キャリアを走るということは、決して一本の道ではないということです。


道は色々とあるし、いつでも方向を変えられる。外圧によって変えられてしまうこともあるかもしれないけれど、その変化した道をより楽しい・ワクワクするものにできるかどうかも、結局はこれまで進んできて道の実績の延長だということです。まさに走れるときに走っておいたからこそ、軌道修正もできるのではないか、こんな思いです。そしていつまでたっても、走り出すに遅すぎるということはないのではないかということです。


「やりたいことをやってね。ライフイベントの軌道修正は本当にそうなった時にいつでもできるから」かねてから自分が学生さんや後輩に伝えてきたメッセージ。今では、やはり間違っていなかったと思っています。


20代、仕事・結婚・出産・育児に悩める皆さん、不安もあります、心配です、走る前からブレーキもかけたくなるでしょう。でも、どうか、どうか「自分のやりたいことをやる」これを貫いていただきたいと思います。今ブレーキをかけなければ見える世界は変わります。そして、変化した世界を見てから、色々と考えても遅くないということです。


最後に、この「LEAN IN」自分の年齢やライフステージによって心に響くメッセージが変わるという良書です。時を経て読み返すと、いつも違った示唆を与えてくれます。まだの方はぜひ読んでみて下さい。

この記事を書いた人
155naicai

▶︎ 女性のキャリア・生き方を考えるマガジン Wherever we are の管理人 ▶︎ ちょっと前までバリキャリ商社ウーマンでワーママ。2019年に起業、現在はアメリカ在住 ▶︎ 自身の東南アジア駐在、中国留学、アメリカ生活などの海外経験に基づき、海外経験から学んだ価値観も踏まえながら、キャリア・生き方・働き方など情報を発信中

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