復職後ワーママを苦しめている犯人は、実は恵まれた日本の育休制度ではないかという思い

キャリア



日本の育休制度は非常に恵まれています。現在、日本の育休制度では、基本は1年、保育所など入所のめどが立っていない場合は、最長2歳まで延長できることになります。そして、育休を始めてから180日(半年間)までが育休前の給料の水準の67%、それ以降は50%が育児休業給付金として受け取れ、以前、外国人の友人が「受け取る金額を確認し、半年分と思っていたが、実は、一か月分で驚いた」と言っていたほどです。


私もかつては、おおよそ半年から1年間を取得する状況は、母体への負担、産後育児の大変さを考えれば、それくらい休めて当然であろうという考えでした。しかし、留学や仕事で海外とのコンタクトが増える中、その考えは少し変化していきました。

海外の女性はソッコーで職場に戻ってくる説



過去、仕事のパートナーとして関わった中国人女性。当時、私とは仕事上で密にコンタクトをする間柄でした。結婚ほどなくし、彼女は妊娠。ビジネス上非常にKey personだった彼女、妊娠報告を聞いた際、「おめでとう!」という気持ちのすぐ後に、「長期お休みになってしまった、どうしよう!」と感じました。しかし、よく聞くと、彼女は産後2か月で復帰するというじゃないですか。


彼女曰く、「中国では親族一同で子育てケアするのが一般的、仕事もあり稼げる自分の役目は、出産後も外で働くことよ。」と言い、無事に2か月後、ちょっと長いバケーションでも取ってきたかのように、仕事に復帰しました。もちろん、仕事への影響もほとんどありませんでした。

ポジションをキープしたまま休める、これは本当にメリットしかない



アメリカなど、日本のように法律で定められた有償の育休制度がない国も実は多く、日本と海外の育休制度の比較をしてみると、日本の制度は非常に優遇されているということを実感します。上記中国の例も経済的な観点から、出産後、早期に復帰しないといけないという事情もあるかもしれません。


しかし、優遇された制度がありがたいのは事実ですが、長く職場から遠ざかることが、結果的に女性本人にメリットがあるかというと、それは少し疑問が残るのです。


例えば、復職後、これまでとは異なる新しいポジションや新しい業務に馴染むのに、苦労したというケースはよく聞きます。その苦労話を聞くと、あと数か月早く復帰して、元のポジションをキープしたまま復帰する交渉をした方が、よほどラクだったのではないの!?と思わされるケースがよくあります。このようなケースでは、早期復職が、結果的に復職後に多大なメリットをもたらすように思うのです。


自分が上司の状況を想像してみて下さい。部下が1年半休むということになれば、業務を回すため、そのポジションには、誰か他のアポイントするしかありません。しかし、2~3か月であれば、「他の人をアポイントするのではなく、組織の状況もよくわかっている既存メンバーで何とかやりくりしよう、その対応で組織へのインパクトをマネージできる。」このように判断するケースが多いのではないでしょうか。やはり、新しい人をアポイントするかどうかの判断は、Quarterを超えるのか超えないのかは?一つの基準になるように思います。


一方、本人としても短い時間であれば、仕事のカンもほぼ鈍ることはありません、そして、何より「これまでと変わらない仕事を続けられる」可能性が極めて高いということです。復帰時に、ラッキーにも全く同じ業務・同じ職場であれば問題ないかもしれませんが、1年以上の期間が経過すれば、組織、人、ビジネス形態も変っていることも、あり得ます。


誰でも新しい仕事、新しい同僚、新しいパートナーと仕事をするのはハードルが高いものです。慣れない育児と仕事の両立という、相当に難しい課題に対峙しながら、保育園のお迎えで、残業でキャッチアップするなどもしにくい状況の中、「こいつは仕事ができるのか?」という目線でジャッジされ、成果を出していかないといけません。


これって、結構ハードルが高くないでしょうか!?

育休期間中、家事育児分担が大幅に偏るという現実



そして、復職後、周囲のワーママを見ていて一番悩むことは、家事・育児分担を如何に夫とうまく行うか?ということに尽きるように思います。そして一般的には、「うちの旦那こんなにやってくれて感謝!」というものではなく、極端に?やや?少し?妻側に偏った負担に対して、如何にそれを納得できる割合で、不公平感なく行えるか?ということにつきストレスを抱えるということかと思います。


日本の男性の育児時間が、海外平均に比べて極端に低いことは有名ですが、その原因の一つに、長い育休制度があるのではないかと私は考えています。つまり、育休期間中、妻が常に家庭にいる状況に慣れてしまうことから、仕事復帰後も、家事・育児全般に対して、妻に対する甘えが抜けない実態があるように思うのです。


例えば、育休期間中に妻に偏った分担比率を、4月の職場復帰のタイミングでいきなり、例えば夫50:妻50にしようとすることなど、しょせん無理な話。夫も人間ですから、生活スタイルをいきなり変化させるのは難しいわけです。

育休の取り方、もっと選択肢は色々ある


現在、日本において男性の育休取得は、まだまだ一般的とは言えませんが、取得する育休期間をどう夫婦で、家庭でシェアするか?という発想はあっても良いように思います。


例えば、少なくとも6か月は家庭で新生児を見守りたいという家庭の方針があった場合、必ずしも女性だけが育休を取得することではなく、夫3か月+妻3か月で育休期間をシェアするという発想もあって良いのではないでしょうか。夫婦それぞれがキャリアへの影響をミニマイズし、復職後もスムーズなスタートを切るための方法、それは必ずしも女性が1年育休取得するということではないかもしれません。


育休取得は、法律で決められた権利であり、それをフル活用し育児に没頭するもよし、その間にスキルアップするのも手です。しかし、恵まれた制度であるからこそ、長く休むことが、復職後も想定したストーリーの中で、必ずしもメリットだけではないということを、知っていただきたいと思い記事にしました。


重要なことは、そういった長期的なストーリーも検討した上で、ご家庭の価値観、ご本人のキャリアへの志向、そして今置かれている職場環境や保活状況などを総合的に判断の上、育休の取り方にも選択肢があるということを認識いただくことかと思います。そして、そういう選択肢があるという事実を踏まえ、夫婦でもっと話し合う必要があると考えます。

この記事を書いた人
155naicai

▶︎ 女性のキャリア・生き方を考えるマガジン Wherever we are の管理人 ▶︎ ちょっと前までバリキャリ商社ウーマンでワーママ。2019年に起業、現在はアメリカ在住 ▶︎ 自身の東南アジア駐在、中国留学、アメリカ生活などの海外経験に基づき、海外経験から学んだ価値観も踏まえながら、キャリア・生き方・働き方など情報を発信中

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