夫婦でキャリアを考えるということ

Career



先日投稿させていただいた記事「結局、私は何にもやもやしていたのか!? 私が、帯同を決めるまで」がとても反響をいただき、やはり多くの駐妻・駐夫さんが多かれ少なかれ同じような山や谷を乗り越えられてきたのだろうなということは、このような境遇は自分だけでなしということで得る安心感があり、勇気づけられたところです。

結局、私は何にもやもやしていたのか!? 私が、帯同を決めるまで
今は、「アメリカ行くよー!イエーイ!」と意気揚々と帯同を報告できる私ですが、パートナーの駐在内示が出てからの数ヶ月は、山あり谷ありと30個くらい山を登り下りと、これほどまでに受け入れ難きことを、自分で消化し受け入れた経験は初めてでした。今...



今回、同じく帯同を決めるまでに感じた「夫婦でキャリアを考えるということ」について書かせていただこうと思います。


私自身、帯同にあたって、自身のキャリアをどう構築するかということに関して、はじめて心底向き合ったわけですが、キャリアを10年以上築いていたにも関わらず、「夫婦でキャリアを考えるということ」については誰も教えてくれなかったという実感があります(そして、もっと早く知りたかった!)。共働き時代において、この重要な視点が、皆さんのキャリア形成においても役に立てばと思い書かせていただきます。

企業内で行われるキャリア研修の限界



私自身、商社で10年以上勤務してきたわけですが、「人が資産」といわれる商社は、とにかく社員教育がしっかりしてます。スキル系の研修に加えて、数年毎に、自身の仕事を振り返り、どのようにパフォーマンスを今後上げるか、将来どのように組織に貢献するかなど全社的な研修や所属部署独自の研修など、定期的に自身のキャリアを振り返る経験を与えられていたと思います。


キャリア研修においては、それぞれちょっと先の未来である1年後、少し先となる3年後、5年後、10年後をイメージしながら、自分はどんな商社パーソンになり会社や社会に貢献していくか?を考えるといった感じです。


そういった研修を受けると「やっぱり自分は将来こういうビジネスを作りたいから、こういうスキルを身に着けておこう」「将来こういう場で活躍したいから、今、意識的にこういう経験を積んでおこう」とか感化されるわけです。そしてそれが何層にも重なって、それぞれのポジションで経験と実績を積み、商社パーソンが出来上がってくるイメージです。そう、「人が資産」といわれる商社の人材育成のモデル、本当によくできています。


しかし、今思うとこの人材育成モデルの中で、2点欠けていた視点があると思います。そして、それを会社に所属する社員の立場で、社内研修で補完するのが非常に難しいということ。


つまり、一つ目に「社外のキャリアも含めて考える」ということ。
そして、二つ目に「夫婦でキャリアを考える」ということです。

社内研修で補えない点1「社外のキャリアも含めて考える」



商社、そしてまだまだ多くの日系大手の会社がそうであるように、新卒一括採用、長期雇用、年功序列をベースとした人事制度の下で、社員を育成するということが主眼となっており、上記で述べた研修についても基本的には「社内」でどのようにキャリアを築くか、レベルアップするかということに尽きているように思います。


そして、ローテーション制度という制度の下、様々な経験が積めるフィールドが実際に用意されています。そのような環境において、社外のキャリアを選び退職する人もいますが、社内研修において、あえて転職、起業、フリーランスなど様々な選択肢も含めて議論がされることはないということです。

社内研修で補えない点2「夫婦でキャリアを考える」



次に、今回一番お話をしたかったこと。それは、「夫婦でキャリアを考える」ということです。社内の研修で語られるのは常に「一人称」です。「あなたは3年後、どういう仕事をしていたいですか?」であり、決して「あなたとあなたの家族は3年後、どのようなキャリアを築きたいですか?」という聞かれ方はしないということです。


でも、これって非常に現実から離れていると思いませんか?つまり、女性であれば、結婚したり出産したりすれば、プライベートの事象が仕事に影響してくることは当たり前。


「3年後、駐在したいと思いますか?」という問いかけに対しても、「いやいや、ちょっと待ってね、20代の時だったら即答でOKだったけど、今は子供いるし、学校あるし、パートナーはどうする?そもそもどこの国に行く前提?んー先進国なら大丈夫だけど、アフリカならちょっとキツくない?!」こんな感じになるはずです。


過去、男性社員が働き、専業主婦の奥さんがいるという前提であれば、それでも良かったのかもしれませんが、今は違います。上記例は女性で語っていますが、男性が社員だとしても、働く配偶者がいる中で、必ずしも一人称で語れる場面だけではないはずです。


だからこそ、家族単位でこの先どういう働き方をし、家庭をマネージしていくのか?という問いに向き合うことが大切です。


家族単位でポートフォリオ(保有資産の構成内容)を組んでみる



家族を一つの組織として考えてみると、また違った視点が見えてきます。つまり、会社組織であれば、必ず事業にポートフォリオがあります。


例えば、今、安定的に利益が出る商売で収益を出す一方で、まだ投資や費用が先行するステージだけれども、将来を見据えて人的リソースを割いていく事業を同時にアプローチするということがあります。こうして幾つかの事業ポートフォリオ(保有資産の構成内容)を組み合わせながら、将来にわたって安定的に、且つ継続的に事業を運営していくということができるのです。


この考えを家庭に当てはめると、必ずしも安定的、且、比較的ローリスクである会社員という働き方を、夫婦2人そろって担う必要はないかもしれないということです。


つまり共働きが前提となる社会において、例えば、妻は、会社員として安定的に収入を得る。一方、夫は、足元では利益は出ていないけれど、将来より大きく稼げるビジネスを目指し起業するなど。そこに、副業なども加わって、家計のポートフォリオが組めればリスクも分散できるという考え方ができます。会社員という選択肢に加えて、起業、フリーランス、副業、個人事業主という選択肢もポジティブに受け止められるようになると思いませんか?


ポートフォリオを組む、事業経営では当たり前



この考え方は、マーケティングのPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント)分析の考え方と似ていると思います。PPM分析は、ボストン・コンサルティング・グループが開発した事業管理の手法で、自社の行っている製品または事業を、市場の成長率と相対的なマーケットシェアから 「スター」、「金のなる木」、「問題児」、「負け犬」の4つのポジションに分類し、それぞれに見合った事業展開を検討するものです。


会社という業態が、持続性を持ち事業を営めることもポートフォリオがあるからこそ。また、総合商社が何百年という歴史の中でも、残り続けているということも、この事業のポートフォリオを上手く組んでいるからだと思います。時代の変化に合わせ、今儲ける商売、5年後儲ける商売、10年後儲ける商売を組み合わせているのです。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは?
ブロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、企業の全社レベルでの戦略策定や意思決定時に用いられるフレームワークです。各事業に対して、ヒト・モノ・カネなどの企業の経営資源の配分の優先順位を決めるために利用されます。 企業戦略は、売上や利益の拡大といった事業の成長のさせ方だけに留まりません。企業戦略には、自社の成長の...

「I」でなく、「We」で考えるキャリア



共働きという前提であれば、リスクの許容範囲、キャリアデザインの自由度が全然違うということが言えます。だからこそ、その利点を活かして、生活のため、お金を得るための「労働」だけではない、仕事の楽しさ自己実現といった観点も含めて、お互い夫婦で協力し合い、上手く家計を運営できるようにすれば良いのです。


会社員という選択肢が絶対的でない時代、また個人でも稼ぐことが可能となった時代において、家族単位でリスクと収益を上手くマネージするという考え方がとても求められているように感じます。

この記事を書いた人
155naicai

▶︎ 女性のキャリア・生き方を考えるマガジン Wherever we are の管理人 ▶︎ 中国留学→総合商社→東南アジア20代駐在→月イチ海外出張・海外旅行→ワーママ→アメリカ帯同&起業&海外onlineMBA ▶︎ 自身の海外経験から学んだ価値観も踏まえながら、キャリア・生き方・働き方など情報を発信中

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