海外オンラインMBAってぶっちゃけどんな感じなのか?
通学するというスタイルに慣れ親しんだ教育環境で育った方であれば、「オンラインの大学ってどうなの?意味があるの?」と、疑問に思われる方も多いかもしれません。
オンラインMBAを始める前の私も、実はその一人でしたので、よくわかります。
私自身、オンラインMBAを始める前は、「オンライン学習での学習効果が限定的ではないか?」「実のあるリアルな学習ができにくいのではないか?」と「かなり」不安に感じていました。
しかし、今では、「通学するということ」は、小学校のころから自分が学校に通うという習慣から生まれた変化を拒絶する「安心感」に過ぎなかったのではないかと感じています。
むしろ、通学することの時間的コスト、マジョリティーの理解進捗をもとに授業が進んでいってしまうデメリットなど、通学という学習スタイルだからこそのデメリットの方が気になるようになったくらいです。
海外オンラインMBAの雰囲気はこんな感じ!
しかし、海外オンラインMBAの内容は本当によくわかりにくいものです。情報も限られます。だからこそ、余計に躊躇してしまうわけです。
そこで、今回は、現在私が受講しているイギリスの大学のオンラインMBAの中身を少しご紹介したいと思います。
「オンラインMBAってぶっちゃけどうなの?」と思っている方、一大学の例に過ぎませんのであくまでも参考程度ですが、少しでもイメージを広げていただければ幸いです。
海外オンラインMBA卒業にかかるのは約2年、学生は全世界から
私の通う大学は、1モジュール約2カ月、約2年で卒業となります。約2年としたのは、仮に何らかの理由で学習が継続できない場合は、途中でお休みをすることができるため、最大で4年以内に卒業できればOKです。
他の大学も見てみましたが、やはり2~3年くらいが卒業までの目安のようですね。
各モジュールには教授が1名、サポート役として1名の合計2名が担当し、1モジュールあたりの学生は20人程度となります。
学生の国籍もバラバラで、イギリスの大学らしくヨーロッパ系が多いですが、アジア、アフリカと国際色も豊かとなっています。
海外オンラインMBAの一週間の学習内容
モジュールは週ごとに課題が設計されており、週20時間程度学習が必要になります。その内容は下記の通り。
大学公式には週20時間の設定ですが、非英語ネイティブの私としては、実質1.5倍くらいのかかっています。
①大学独自作成のオンライン教材の履修(約4時間/週)
動画と文章でのトピックスの解説です。今回の学習範囲、学習のゴール、内容の説明など。動画は大学独自のもの、You tube(限定公開・一般公開)のものなど。
この動画での説明がなかなかよく、論文で理解できない部分でも、動画なら趣旨がざっくりつかめる!ということはよくあり、重宝しています。
時折、クイズ形式やゲーム性を取り入れて飽きにくい工夫がされています。
最後に内容理解の小テストがあります。
②レポート・論文を読むアサイメント(約8時間/週)
教授が指定するレポートや論文を毎週5件ほど読みます。
1レポートあたり30ページ程度の為、合計150ページくらいの分量となります。
③週2回のオンラインの授業・準備(約8時間/週)
Zoom(のようなシステムを介し)教授、学生(通常10名以下)で同じ時間に集まり、事前課題(通常はケーススタディなど)をもとに、ディスカッションします。
この時間だけは、時間が固定されますので、好きな時間に受講とはいかず、プライベートなどの予定を調整する必要が出てきます。
オンラインと言えども、リアリティを感じられる機会になりますので、個人的にはこのディスカッションは非常に気に入っています。
そして、非ネイティブとして参加する立場として、準備を怠れば、「話せることがない・・・」という状況に簡単に陥りますので、授業前の準備はかなり骨の折れるものになります。
④レポートを2~3つ提出(全部で約4,000~5,000 words/モジュール最後に提出)
評価の殆どを占めるのがこのレポートになります。例えば、「これまで学んだ内容をどうすれば自身の組織に応用できるか?」などテーマが与えられ、それに対しての回答を作成します。
レポート作成前までには、教授からオンラインで指導を受けるなどとプロセスをとることもできます。
結論、オンラインと言えども、結構ハードです。
オンラインと言えどもかなりの負担となることはイメージいただけましたでしょうか?結構ハードですよね?はい、私はハードに感じています笑。
学生の殆どは、フルタイムの仕事を持ちながら受講していますので、皆さん、毎日2時間、週末数時間、ほどの時間をやりくりしながら受講されているわけです。
そして、この時間的なコミットメントが2~3年続くわけですから、それなりにコミットメントする覚悟が必要かとも思います。
海外オンラインMBA、やはり人脈形成は難しいのか?
オンラインMBAのデメリットとしてよくあがるのは、人脈形成ができにくいことかと思います。
もちろん、オンラインMBAでもオンラインでのコミュニティやFace to faceでのアラムナイ・在校生との交流会などを定期的に開催しているようで、この点の補強を行っているようです。
また、私が通っている大学のプログラムは100%オンラインとなりますが、大学によっては、四半期もしくは半期に一度程度キャンパス内に集まって授業を受けることをマストとしている大学も多くありました。
オンラインながら、繋がりを形成する仕掛けはあり、後はどれだけ自分で行動できるかということかもしれませんね。

海外オンラインMBA出願に必要なモノ
さて、ここからは、オンラインMBAに興味を持っていただいた方向けに出願の話をさせていただきます。
海外オンラインMBAの出願準備においては、エッセイ、推薦状、TOEFL、GMAT(GRE)の提出が主な内容になっています。
GMATは職務経歴が豊富(マネジメント経験アリなど)であれば免除とするなどの学校もありますが(私もこのような大学を選びました)、外国人受験者のTOEFL等での英語レベルの証明はどの学校でもマストでした。
TOEFLスコア基準は、学校によりますが、オンラインMBAランキングTOP20程度がターゲットとすると、93~95点というレンジです。
気合いを入れれば短期間で準備できるエッセイや推薦状と異なり、TOEFLスコアメイクは時間がかかります。
TOEICと異なり、スピーキングやライティング能力も図られるため、英語が得意と思っていらっしゃる方でも、付け焼刃ではなかなか点が出にくいのも事実のようです。
海外オンラインMBA出願、1番時間がかかるのはTOEFL準備
下記、私が使用しおススメできる参考書・問題集となりますので、参考にいただきスケジュールに余裕をもって準備下さい。
TOEFL準備 定番中の定番
The Official Guide to the Toefl Test TOEFL公式ガイドブック
こちらは超定番中の定番ですが、一度は必ず解いておいて損ありません。
問題は、分厚く、持ち運ぶだけでも一苦労な点です・・・笑。移動中やカフェなどでちょっと勉強するには向かず、自宅のデスクでがっつり「勉強するぞ!」としないと、なかなかはかどらないのが残念な点です。
公式サイトからはオンラインでできる教材も多数出ていますので、そういうものを利用するのもアリかもしれませんね。
TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)
こちらも有名どころですが、単語についてはこの英単語3800をやるだけでOKだと思います。
私は書籍に加えて、普段の学習はアプリ(みかん)を使っていました。アプリだけでも・・・と思われるかもしれませんが、書籍にはより細かい情報(語用など)も書いてあったりしますので、買っておいて損はないと思います。
ゴロあわせ合格英単Vワード・完結編
単語には上記「TOEFLテスト英単語3800 」だけでOKと記載した先から否定になりますが(笑)。
「どうしても単語が覚えられない・・・」ということであれば、語呂合わせで覚えてしまうのもアリと思いますのでご紹介させていただきます。
実際、私も、この本があったからこそ効率的に覚えられた!という単語は多いです。
古い書籍で、時代背景も???という感じですが、語呂合わせ系の本であれば、こちらがおススメです。
TOEFLリスニング、おススメの教材
かなり詳しく学べるTOEFL iBTテスト リーディング・リスニング 演習編
リスニングは割と得意だったこともあり、TOEFL対策としては、上記The Official Guideとこれだけしかやりませんでした。
日本語の解説もあり、書籍サイズも小さいので、The Official Guideよりも取り組みやすかったです。本番よりもやや簡単な印象です。
TOEFLリーディング、おススメの教材
多くの日本人が得点源とするリーディングですが、私は、一番ニガテでした。とにかくアカデミックな文章を読むということに全く慣れておらず苦労しました。
よって、取り組んだ本はかなり多いです・・・笑。
Extensive Reading for Academic Success Advanced D Student’s Book
私は、アカデミックな文章を読み慣れないため、読むこと自体が非常に苦痛だったのですが、このシリーズを4冊こなしたところ、何とかアレルギーはなくすことができたように思います。
The Official Guideを読んでみて、「ヤバイ、歯が立たない」と感じられた場合に、基礎力養成を目的として、取り組んでみるとよいかと思います。
化学、人類、歴史、考古、生物、地理などテーマごとに4冊あります。全部やればかなりのボリュームになります。
TOEFL iBT® TEST リーディングのエッセンス
こちらは入門書としておススメです。The Official Guideは、分厚さ、英語解説しかないという特徴からとっつきにくさを感じることと思います。
この本は、日本人向けにわかりやすく書いてありますので、敷居低く取り組めるかと思います。
TOEFL TEST対策明解リーディング
TOEFL CBTの頃の、既にかなり古い書籍ですが、丁寧に回答が書いてあることもあり、勉強を進めやすい印象でした。問題は本番よりもやや簡単です。
既に廃盤ですが、逆に中古で10円以下で購入できるのでおススメしないわけにはいけません笑
TOEFLライティング おススメ教材
新版TOEFL TEST対策iBTライティング
TOEFLライティングの書籍で購入したのは本件のみです。スコア別のサンプルが見れるので、この程度書ければ何点くらいなんだなと言う目安が図れます。
私は、読み込んでみて使いまわしできそうな表現や書き方を盗んでいました。
様々なライティング書籍に手を出すよりも、1冊この本を参考にしながら、ひたすら書いてみて、自分で改良、時にネイティブにチェックしてもらう方が、効率的な学習ができるかと思います。
ライティングの勉強方法はこちらを参考に。
aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界
ライティングの練習をする中で、「a」と「the」の違いについてもう一度頭の整理をしたかったため購入しました。
日本語で書いた書籍で、この本以上に「a」と「the」の違いについて記載した本はないように思いますので、もし「a」と「the」の違いを知りたいという方にはおススメです。
スピーキング おすすめの教材
初回の受験からそれなりに点数が出たので、TOEFLスピーキングに特化した本は一冊も購入していません。
教材をやり込むというよりは、練習あるのみとも感じています。
スピーキングおススメの勉強方法は下記です。この方法は本当にお金も、手間もかからないので本当におススメですよ!
海外オンラインMBA内容のイメージ、掴んでいただけましたか?
少しは、海外オンラインMBAのイメージを掴んでいただけましたでしょうか?また出願準備に一番時間がかかるであろうTOEFLスコアメイクの為のおススメ教材をご紹介させていただきました。
海外では一般的であるものの、日本ではまだまだ馴染みが少なく、情報も限られているのが実態です。海外オンラインMBAの選択肢が日本でも広がっていくように、これからも情報提供していきたいと思います!